古屋歯科クリニック症例集

欠損歯列に対する補綴治療

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    • 4.クラスプ義歯および咬合支持歯の経過
    • 5.術者1年目症例の長期経過・咬合挙上
    • 6.再植歯を連結固定すべきであった症例
    • 7.保存不可能と思われる歯を再利用し、咬合支持歯を確保
    • 8.13年および6年経過の移植症例
    • 9.重度歯周病に移植とコーヌス義歯で対応
    • 10.移植歯が偏咀嚼主機能歯の場合(症例1)
    • 11.移植歯が偏咀嚼主機能歯の場合(症例2)
    • 12.移植歯が偏咀嚼主機能歯の場合(症例3)
    • 13.右下に2本の歯を移植
    • 14.左下6を抜去後、左下8の移植を行った症例
    • 15.右下8を左下6に移植した症例
    • 16.左上8を左下6に移植後、置換性吸収が生じた症例
    • 17.矯正的挻出にて上顎切歯を保存
    • 18.咬合挙上しないで補綴した症例
    • 19.右下犬歯欠損の影響が大きかった症例
    • 20.1次固定による連結ブリッジおよびクラスプ義歯の長期経過症例
    • 21.パーシャルデンチャー31年7ヵ月経過症例
    • 22.根面アタッチメント辺縁歯肉の開放(1)
    • 23.根面アタッチメント辺縁歯肉の開放(2)
    • 24.根面アタッチメント辺縁歯肉の開放(3)
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はじめに
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歯の移植・インプラント

歯の移植・インプラント


 歯が1本失われた際,治療法としては通常,両側の歯を削るブリッジが選択されることが多い.1本義歯を用いることもあるが,取り外しが面倒という理由で患者から忌避されやすく,一般的にはあまり行われていない.しかし当院では,隣在歯を削去しない,および清掃しやすいという観点から,1本義歯を製作する頻度がかなり高い.一方,機能していない智歯や歯列からはみ出している転位歯があれば,これを抜歯し,歯の欠損部に移植するという方法もある.移植された歯は,元々歯があった時のような食感を味わうことができるので,条件がそろえば選択肢の1つに挙げられる.移植できる歯がない場合はインプラントも選択肢の1つであるが,最近は上記の治療法(1本義歯,歯の移植)のいずれか,あるいはコーヌス義歯を用いた補綴治療で対応することが多くなってきた.
 つぎに歯が多数失われた症例では,口腔内全体のバランスから歯の移植もしくはインプラントを用いたうえで補綴治療をするほうがよい場合がある.主に以下の3つの場合が挙げられる.①上顎あるいは下顎において,左右側的に片側にしか歯がない場合.義歯が安定するためには,左右両側に少なくとも1本以上の歯が必要である.片側だけに複数本存在しても,反対側になければそちらでの咀嚼はあまり期待できない.片側に複数ある歯の中から,最も機能していない歯を抜去し,これを反対側に移植できれば義歯の安定は格段に向上する.移植可能な歯がなければ,インプラントも検討する.②上顎の口蓋を覆うことによる異物感あるいは発音障害が著しく強い場合.歯の欠損部へ移植もしくはインプラントを用いることで,片側処理の義歯の設計が可能になる.総義歯の場合は口蓋を抜くことができる.③下顎総義歯の症例で,顎堤が著しく吸収している場合.安定した総義歯を製作することが難しく,義歯の維持のために移植もしくはインプラントを使用できれば,遥かに安定した義歯を製作できる.
 以上をまとめると,欠損補綴の際,私は基本的に従来どおりの義歯を第1選択としているが,歯の移植もしくはインプラントを用いるメリットが大きいと思われる症例は,適応条件が満たされればオプションとして取り入れようと考えている.なお,インプラント使用の際はできる限り本数を少なく,また丈の短いインプラントを使用するように心掛け,将来もしも感染が生じた場合において,顎堤の吸収が最小限ですむように配慮している.

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インプラント

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